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色と照明の関係
服を購入したとき、店内で見た色と外で見た色が違って、思い通りの買い物が出来なかったことはないですか?
それは店内の照明と外の太陽光の種類が異なるからです。
色はそれを照らす光の種類によって異なってみえます。
光源には様々な種類があります。
大きくは自然光と人口光に分類できますが、自然光は太陽光など自然の光、人口光はろうそくや、蛍光ランプ、白熱灯などです。
自然光は各波長のバランスがとれているため白色の光となり、自然な色に見えます。
白熱灯は長波長の赤やオレンジの光が多いため、赤味がかかって見えます。
蛍光灯は短波長の青の光が多いため、青みがかかった色となります。
ナトリウム灯は中波長の黄色光のみなので、黄色以外の色は感じられず、
黄味がかったくすんだ色になります。
このように光源の特性により、物の見え方は変わってくるのです。
ここまでをまとめてみましょう。
・光はエネルギーの一種で、波長の違いによって分けられる。
・可視光線(目に見える)、紫外線、赤外線(目に見えない)がある。
・可視光域は380~780NM
・短波長は青紫から青、中波長は緑から黄色、長波長は橙から赤
・白色光が物体に当たると反射と吸収がされ、反射した光が目に見える。
・透過色は光を通す物体に光が当たり、その物体を透過した光の事です。
そしてここは少し頭にいれておいてもらいたいところですが、光源によって色の見え方が変化するのを演色性といいます。
トンネルで物が違う色に見えるようなことです。
色覚(色の見える仕組み)
人間の感覚器官には、目、耳、鼻、舌、皮膚があり、それに対する感覚は視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚のいわゆる五感です。
この五感をの中で色を見分ける機能が視覚です。
その目の構造についてお話しましょう。
眼球は直径22~24mmほどの球体です。
その外装は3層からなっています。外層、中層、内層、です。
内層について少しお話をしましょう。ここは重要になってきます。
内層は網膜です。網膜には錐体と桿体の2種類に分けることができます。
錐体は明るいところで働き、暗いところでは反応しません、
暗いところでは桿体が働き弱い光には反応します。
色の識別が出来るというのは、錐体の働きによります。
夕方、薄暗くなると、色の識別が出来なくなるのはこのためです。
眼には明暗順応、色順応があります。
それらは3つに分けられ、それが明順応、暗順応、色順応です。
明順応は急激な光の増量に対して、瞬時に対応することは出来ません。
はじめは目の感度が低下し、しばらくして光に慣れます。
この目が慣れるまでの時間は約10分~15分です。
これは錐体が十分に機能した状態です。
暗順応は明順応と逆で暗い場所に入った時だんだん眼が慣れていくことです。
暗い状態になれるまでおよそ20~30分かかります。
色順応は外から室内に入った時に感じる色の違いです。
しかし次第に目がバランスを取り同じ見え方にします。
このことを色順応といいます。
このように目の仕組みを知ることによって色の見え方が分かって来るのです。
色彩と関係ないようですが非常に大切なことです。
錐体と桿体の仕組みについては頭に入れておくとよいと思います。
表色系
出典:http://www.toyoink1050plus.com/
同じ色をみても、人の感じ方はそれぞれ違うと思います。
その為に表色系が作られました。
表色系とは色を定量的に表す体系の事を言います。
その中で色票が用意されているものをカラーオーダーシステムと言います。
世界各国に表色系はあるのですがそのなかで日本で言われているシステムを上げていきますね。
PCCS(PracticalColor Co-ordinate System:日本色研配色体系)
これは1964年に財団法人日本色彩研究所により発表され、主に配色調和を目的としたカラーシステムです。
これにより色相とトーンという2つの概念で、配色をよりシスティマティックに計画することができます。
PCCS色相環
PCCSは赤、黄、緑、青の心理四原色を設定しています。
この4色相の心理補色にあたる色相を色相環の対向位置に配しています。
この8色に、知覚的に等しく見えるように4色を加え12色相とし、その間の色を加えて24色相としています。
色相記号は赤を2とし、黄を8、緑を12、紫が22というように番号で色を表し色相名の英文頭文字と色味の形容詞を小文字で付記します。
例えばPCCSの1:pRは色相名でpurplish red。つまり紫みの赤です。
明度は知覚的に等しくなるように黒を1.5として1.0ずつ加算し9.5のしろまで9段階で表したもの。
またさらに細かくすると0.5ずつあがって18段階で表したものがあります。
このように国で色は決められているのです。
次は彩度と立体色トーンについて話していきたいと思います。