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彩度、立体色、トーン
彩度は実際に使われる色料の中で、各色相で最も鮮やかな色を決め、この各色相の代表と同明度の無彩色との間を等間隔になるように9段階に分けています。
一般に各色相の中で、最も彩度の高い色を純色といいますが、着色材の種類によって異なります。
つまり色料によって、例えば最高彩度の出現域に違いがあるため、純色という概念はあっても色の基準にはならないのです。
そこで純色に変わる色の代表色を定め、その彩度を9sとしています。
PCCSでは色相をHue、明度をLightness彩度をSaturatuionであらわします。
立体色とは色相、明度、彩度の色の3属性を3次元で表した立体模型をいいます。
トーンはPCCSの最も特徴的なトーンの考え方は、明度と彩度を複合して表しています。トーンとは「色調」の事を言います。
等色相断面からもわかるように、同じ色相であっても、明・暗、強・弱、濃・淡、浅・深の調子があります。
これらの色の印象や感じ方の同じ色を分類したものがトーンの分類です。
無彩色を5段階、有彩色を12種類に分類しています。
トーンの連想
ヴィヴィッド:鮮やかな、派手な、目立つ
ブライト :明るい、健康的な、華やかな
ライト :浅い、澄んだ、楽しい
ペール :薄い、軽い、優しい、可愛い
ホワイト :清潔な、冷たい、新鮮な
ストロング :強い、情熱的な
ソフト ;柔らかな、ぼんやりした
ライトグレイッシュ:落ち着いた、渋い
グレイ :スモーキーな、寂しい
ダル ;鈍い、くすんだ
グレイッシュ:濁った、地味な
ディープ :深い、和風の
ダーク :暗い、大人っぽい
ダークグレイッシュ:暗い灰色味の、男性的、陰気な
ブラック :フォーマルな、シックな、締まった
色の見えの効果
私たちは日常生活の中で、1つの色だけが視野を占めることはまれです。
絵であれば、背景の上に建物や絵が描かれるように、服飾で言えば生地に柄があるように、ほかの色と影響しあうような状態で色をみる事が一般的です。
ある色が他の色に影響を受けて異なる色に見える現象は、色知覚の三属性との関係で説明することができます。
カラーコーディネーターは色彩計画を実施する際に色の見えの効果を心得ておくことが大切です。
色知覚の三属性とは
・色相(色味の種類)
・明度(色の明るさ、明度が高いほど明るく、低いほど暗い)
・彩度(色の鮮やかさ)
これから学んでいくうえで色知覚の三属性はとても重要です。
その違いを十分に理解してください。
色の見え方は周囲の色と互いに影響し合い、物理的には同じ色であるにもかかわらず、単独で見た時は違ってみえる現象があります。
このような現象あるいは効果の色の対比と言います。
色の対比は、同時対比と継時対比の2種類があります。
直接、色と色とが接した場合に生じる対比を同時対比と言います。
また、ある色をしばらく見続けた後に他の色に目を移動してみると前に見た残像が影響して後の色が変化します。
例えば白い背景の上の赤い点をじっと見た後白い背景に目をそらすと、青緑色の残像が見えます。
これを心理補色といいます。
これは、人間の目はいつも見ている色刺激とは反対の色を網膜上に作りだし、色の刺激を和らげる働きあるために起こります。
残像を含めて時間的な経過がある場合の色の対比を継時対比と言います。
対比現象とその種類
対比される2色の明度のちがいによってそれらの色の明度が互いに異なって見える対比現象を明度対比と言います。
例えば灰色の文字があります。
黒を背景色とした場合文字はより明るく見え、明るい灰色を背景とした場合は文字の色はより暗く感じます。
出典:http://www.sipeb.aoyama.ac.jp/
このように明度の関係は、地色が暗い場合は明るく、地色が明るい場合は暗く文字を感じます。
このような明るさの対比を明度対比といいます。
これは有彩色でも起こり、人間が暗い洋服を着てる時と明るい洋服を着ているときで、顔色がかわる現象と同じです。
次に色相対比についてです。
色相対比は異なる色が配色された場合にそれぞれの色相が色相環の反対方向にうつったように感じられる対比効果です。
先ほど話した赤い点を見つめてると青緑の残像が残る現象と同じです。
この補色が色対比に大きく関わってきます。
次は彩度対比です。
彩度対比は彩度の異なった色が配色される場合に彩度の高い色は一層鮮やかに彩度の低い色は一層鈍く灰みがかって見える対比効果です。
補色対比は補色同士の色を配色した場合互いに色味を強調し合いそれぞれの彩度が高くなったように見える対比効果です。
またここで心理補色を思い出しましょう。
私たちはある色をじっと見ていると補色残層が残ります。
このため補色関係の色を背景色にすると2色同士がより鮮やかに見えます。
看板などに補色同士の色を使うと目立つのはそのためです。
この補色関係や対比効果の強い配色を利用して刺激的な視覚効果を意図的に作り出すこともできます。
用途に応じて使い分けるといいでしょう。