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終盤戦での意識
将棋の中盤戦についてのお話を進めていますが、中盤戦では如何にして自分の駒を有効的に使っていくのか、不要な駒には触れる必要が無い、等の説明をしてきました。
実際にこれらの事さえ知っておけば中盤将棋はある程度無駄の無い動きで攻める事が出来るのですが、それが終盤になってくるに連れて更にプレッシャーは増してきます。
私が将棋の対局をしていた中でも、最も緊張感のある場面はやはり終盤将棋であり、ここではどんな一手であってもミスが許されません。
今までであれば、ミスや打ち間違いが多少対局を左右する事があっても勝敗に大きく関わってくる重要性は少なかったのですが、この終盤では断じてミスは禁じられています。
だからこそ、集中力を絶対に切らさないようにしておく必要があるのです。
終盤戦では公式な物であれば、自分の持ち時間がほとんど無くなってしまい、一手一手を打つスピードが限りなく限られてしまうのですが、その中でも最善の手を打つ必要があります。
たいてい一手30秒未満と言う状況も有るのですが、その30秒の中で将棋板全体を見回してどこにも相手に詰ませる隙を与えてはいけません。
焦ったり慌てたりしてしまい、変な所に駒を動かしてしまう事も多いのですが、その一手こそが終盤では勝敗を決めてしまいます。
その事からも、終盤戦では絶対に落ち着いた頭脳戦が出来るようにしておきましょう。
ミスは絶対に禁物であり、勝敗の鍵を握る大切な一手が終盤戦での特徴なのです。
落ち着いて平常心を持つ事、これが終盤戦の正しい心境でしょう。
何手で詰むのか?
将棋の終盤戦についてのお話を進めていますが、この終盤戦では絶対に慌てずに落ち着いた対局を進めていく必要があると言いました。
実際に私も経験した事なのですが、終盤戦で持ち時間がなくなってしまった事から凄く慌ててしまい、金を誤った位置に打ったことによって詰まれてしまいました。
このような棋士はほんとに多く存在する事であり、終盤戦での恐さでもあるので、絶対にこの落とし穴にはまらないようにしましょう。
そして更に終盤戦に強い棋士になっていくためには、残り何手で詰むのかと言う計算が瞬時に出来る必要があるのです。
自分が何手で詰まれるのか、自分が何手で詰めるのか、どちらも考えおく必要があるのですが、この計算が出来ていれば自分が動かす駒や動き方にも大きく変化が出てきます。
例えば相手があと二手で詰めるのであれば、その二手の間に自分が猛攻撃をして翻弄するのか、それとも守りを強化して二手以上手数が掛かるようにするのか、と言う選択をする事が出来ます。
もしも相手が次の一手で詰んでしまう状況であれば、次で説明する犠牲を作る事だって可能であり、詰むまでの計算が出来ていれば様々な対策を取る事が出来るのです。
この計算さえ正しく出来ていれば正確な対策が取れることは間違いなく、相手の作戦を把握する上でも絶対に必要不可欠な物なのです。
終盤戦は本当に勝負!と言っても過言ではない将棋の対局ですが、この計算こそが終盤戦の勝敗を大きく決める物でもあるのです。
犠牲を作ってもOK!?
将棋の終盤戦についてのお話を進めていますが、この終盤戦ではとにかく落ち着いて対局に臨む事であったり何手で詰まれるのか、詰むのか等の計算が出来るようになっておく事が大切であると言いました。
これらの事は終盤戦の将棋では絶対に必要不可欠となるのですが、もちろん終盤戦では詰まれる直前の対策も知っておく必要が有るのです。
相手が残り何手で詰むのか、と計算した時に残り一手の場合であればとにかく対局を終わらせない為の動きが必要になってきます。
その動きはいくつか挙げられるのですが、最も回避出来る方法に望ましいのが犠牲と言う技なのです。
対局の進み具合や相手の戦略によってその犠牲となる駒は様々であるのですが、基本的に王将・飛車以外の駒が全て犠牲駒の対象となると言って間違いは有りません。
相手に角や金のような重要な駒を取らせる事によって一手余裕が出ることも有りますし、更にはそこから逆転できる可能性だって無きにしも非ずなのです。
状況に応じて相手に取らせる犠牲駒を使い分けていけば良いのですが、最も重要な事は対局に負けないために手数に余裕を作ることなのでそれが可能であれば問題ありません。
犠牲の駒を作って相手に取らせる事で実際には相手を油断させる意識を持たせる事も多いのです。
最初でも言いましたが将棋は頭脳戦なので、このようなトリッキーな技を最後に見せることで形勢を逆転させる可能性があると言うことを覚えておいて欲しいのです。
中盤・終盤将棋とは
将棋の中でも序盤・中盤・終盤と言った3段階に分けることでその説明を進めてきたのですが、もちろんこれらの事は将棋の対局では毎回意識する必要があります。
将棋の序盤では主に、守りと攻撃の形をしっかりと作って行く事やバランスよく組み立てていく説明をしたのですが、中盤・終盤将棋になってくると一手一手の重さが大きくなるという事を言いました。
もちろん相手がどんな作戦を使ってくるかによって、この中盤・終盤将棋の出方も変わってくるのですが、基本的には無駄の無い動きを徹底して行うようにしましょう。
その事からも、中盤・終盤将棋で絶対に欠かせない事や意識することを最後に説明したいと思います。
まずは、相手と自分の攻防が続いている中でどちらが優勢であるかと言うことを把握しておく必要があります。
ゲームの主導権が完全に相手側にある場合には自分が劣勢になっているのですが、その状況であっても積極的に相手に攻撃を仕掛けて欲しいのです。
たいてい相手に主導権がある場合は守りに徹底してしまう事が多く、その事から最後まで相手に攻撃を掛けられずに終わってしまう事も多いのですが、それは対局として最もつまらない終わり方なのです。
どんな相手に対しても攻めの意識を忘れずにし、どんどんプレッシャーを掛ける事が絶対に必要になってくるのです。
将棋は実力だけの勝負ではなく、頭脳を使ったり相手を焦らせてミスを誘い込む作戦も多く存在します。
そのようなテクニックも棋士としての実力の1つなので、いつでも積極的に攻めるという姿勢を忘れずに臨んでほしいかと思います。