オーケストラの指揮者がメインキャラクターというところが珍しいかなあと思いまして手に取っ手みました。
ヴァイオリニストの天美がお気に入りキャラです。
イラストもきれいですし、もちろん白黒なんですがまるで色がついているかのように錯覚してしまって緑の木々などや田園風景などがものすごく清々しかったです。
しかし男性がちょっと美しすぎるといいますか絵柄のせいでしょうか、女性的な香水の香りが漂ってきそうな雰囲気でそれにちょっと酔ってしまいそうになりながら読んでいました。
でも清潔感があって好きですよ。
このコミック作品は実際に恐らく取材をなさってから描かれたのではないだろうかと思います。
そういう専門的なところは評価されるのではないかと感じています。
このたった一冊で密度は濃く仕上がっていてそれはそれで良かったんですが多分せめて2巻くらいはあった方が良かった気がしています。
ストーリーがものすごくスピーディでテンポが良くて分かりやすくてそれはそれでいいんですが、もうちょっとじっくりとキャラクター達の生活の物語などに浸っていたかったという思いもあります。
田舎の、のんびりしたところでオーケストラっていうのが自分にはものすごく憧れる生活です。
自分も音楽をやっていきたかった人間ですのでそういう面でうらやましいなあとは思いました。
広々としたところで思いっきりな音量で音楽を演奏したり思いっきり振ったりできるのって素敵だなあとつくづく思ってしまいますね。
ただあのオープニングはショッキングですね。
ちょっとあまりにも酷いんではないでしょうか。
でもそういうありえないことが大袈裟に重圧的に描かれているのはマンガの醍醐味と言いますか、読んでいて思わずニヤリとしてしまったんですね。
すごくドラマチックに描かれていたのが面白かったです。
キャラクター達の性格なども神埼などはいい癖があって面白いなあと思いましたが肉欲的でガツガツとしたボーイズラブがお好きな読者さんたちにはちょっと物足りないんではないかと思ってしまいます。
自分はそういう部分はまったく求めていなかったんでこれで十分満足はしているんですが、友達からの感想としてはちょっとあっさりしすぎていたのでなどと色々言っていました。
でもそういう部分がなかったからこそ純愛っぽさが生まれて来て良かったというのに。
萌え要素っていうわけではないんですが女性的には十分萌える部分はたくさん散りばめられていると感じていましたんでそういう部分がうまく読みとれてるかなあという感覚次第なところもあるんではないでしょうか。
これは単なる好みや選択肢の問題だと思っています。
もっとピュアに物語を楽しむ精神でいた方がいいと思いました。
そしてそういうドラマの部分とこの作品の美しい世界観とのコントラストや味わいが全面に出ていましたのでこのコミック作品は一本の映画にならなくもないかなあと思いました、もしくはオリジナルアニメですかね。