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俺物語!!の漫画を知ったきっかけ
別冊マーガレットを愛読していた当時、アルコ先生の作品が大好きですべて読んでいました。
多忙で別冊マーガレットの購読をご無沙汰していたのですが、河原和音先生原作、アルコ先生作画の「俺物語！！」が、講談社の漫画賞を受賞したという話を聞き、ぜひ読んでみたいと思い、コミックスを購入したのがきっかけでした。
俺物語!!の見どころ
原作の実写化が多い、河原和音先生が原作であること、また、「ヤスコとケンジ」というドラマ化もされた人気作があり、少女漫画と少年漫画の中間のような、性別を問わない漫画を得意とするアルコ先生の作画という強力タッグの作品である点です。
主人公剛田猛男の少年漫画を彷彿とさせる迫力ある容貌は、アルコ先生だから描けたと思います。
また、クールな男性の描写が得意な河原先生特有のキャラクター、猛男の親友砂川の存在も目を離せません。
二大作家の良さが存分に出た大変魅力的な作品です。
俺物語!!のネタバレ
この作品は、恋愛ものですが、片思いから付き合うまでの過程は序盤であっという間に話が進み、初めてお付き合いする高校生の男女が、相手と向かい合うことを通じて人間として成長していく姿が物語の大半を占めています。
美しい美形の男子というよりは、マッチョ系の怖い要望で、男性の方に受けがいい強面の猛男と、典型的に可愛らしい女子、昔でいうところの「ぶりっこ」を彷彿とさせる大和凛子との、ほのぼのとしつつ、深く考えさせられる人間の心の機微の描写が見事です。
大和さんの、彼氏が友達に「ゴリラ、あれはないわ！」と言われた時のショック。
今までモテたこともなかった猛男が、彼女がいるのにクラスメイトの女子に告白された時の苦悩。
恋のライバルの登場や、子供の力ではどうにもならない、親の転勤による離別など、盛りだくさんの内容です。
また、主人公猛男と大和さんの恋愛だけではなく、友人砂川の恋愛や、砂川のお姉さんの恋愛など、猛男を取り巻く登場人物の恋愛の動向も見もので、「辛いことがあっても最後は気持ちの持ち方ひとつでハッピーエンド」という、温かい終わり方をしています。
俺物語!!のおすすめポイント
おすすめポイントは、主人公猛男と、猛男の彼女大和さん、親友砂川の人間性に、学ぶところが多い点と言えます。
猛男は自分がゴリラだと言われても、言った人を責めるという考えが基本ありません。
そうではなく、言われた大和さんが傷ついていないかを案じます。
また、大和さんも、自分は長文のメールを送るのに対し、メールが不得手な猛男が、短文のメールしかよこさなくても、不平不満を言ったりしません。
普通はこういう点が、すれ違いや不満になってしまうのではないかと思う点が、二人の間では「欠点も相手の個性」と理解しあっているために、あまり問題になっていないのです。
また、二人に助言する砂川の、「お節介をし過ぎず温かく見守る」姿勢や、ちょっとした態度から相手の心情を読み取る洞察力がすばらしいです。
漫画の中のセリフの中にも学ぶものが多く、高校生とは思えない達観した考えに、ハッとさせられ、10代からその上は制限なしに、年齢を選ばす読める漫画です。
また、恋愛以外にも、生命の誕生、ネット社会における対人、アルバイトを通じて社会に関わることの大変さなど、日常のできごとにもフォーカスされており、そういった出来事を通じて登場人物たちが成長していく姿が非常に魅力的です。
俺物語!!の好きなキャラクター
主人公剛田猛男が好きです。
ルックスはコミックスの1巻を手に取った際は、本当にゴリラみたいな主人公だと思いましたが、大和さんがそうであったように、猛男が最高にかっこよく見えてくるのが不思議です。
とにかく猛男は、色んな意味で懐が大きく、頼りがいがあり、正義感もありで、非常に魅力的な男性です。
様々な出来事の中には、困難なこともありますが、それを常に前向きに乗り越えようという姿勢が良いです。
ただ絵面的にかっこいいだけで内面があまり魅力的でない男の子を扱った漫画もある中で、「人間はやっぱり内面」であり、内面が輝いていると、見た目もカッコよく見えてしまうということを、漫画で表現している、すばらしいキャラクターです。
俺物語!!のアニメ関連情報
2015年の4月から、日本テレビ系列でアニメ化されました。
原作に忠実な作画とストーリーが大変好評でした。
2015年の10月には、実写映画化もされ、剛田猛男役には、体重を変幻自在に変えるストイックな役作りで有名な、鈴木亮平さんが抜擢されています。
どちらも原作のイメージを壊さない、心温まる作品となっており、ファンからも高い評価を受けています。
作画担当のアルコさんは、実写化されたら猛男役を鈴木亮平さんが演じてくれたら、という希望があったそうなので、その通りになり、まさしくイメージ通りの配役と言えるでしょう。
アニメも実写映画も、DVDが発売され、画像としても作品を楽しめます。
