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目次

薬ができるまで

ここでは、新しいお薬が、どのようにしてつくられるのかお話ししたいと思います。

まず、研究室でたくさんの化合物が作られます。膨大な数の化合物の中から、病気に効きそうなものを絞り込んでいきます。スクリーニングという作業です。

現在は、ある程度病気に効きそうな化合物を予想することもできますし、まったく新しい発見で、期待できる化合物を見つけることもあります。

化合物を絞り込んだら、動物実験で、薬の効果を確かめます。ここで、薬の作用の他に、副作用、薬の吸収、代謝、排泄なども調べます。

この動物実験の結果をもとに、人間でも使えるか検討します。

ここまできたら、初めて人体実験へと移ります。

しかし、最初から病気の方に投与するのではなく、まず、健康な少人数の方に投与し、安全性や有効性を確認します。

ここで安全性を確認できたら、少人数の患者さんへ投与してみます。

たくさんの患者さんに試してみる一般に「治験」と呼ばれる段階はこれらの実験が終わった後になります。

ここまでいたるのにスクリーニング1~2年、、動物実験3~5年、人体実験3~7年ほど要しています。

そして、人体実験でも、有効性、安全性を確認できれば、厚生労働省に「薬」として申請します。

厚生労働省は、この内容を審議し、販売の許可を出します。

お薬ができるまでには、たくさんのお金と時間がかかっています。
しかし、ここで終わりではありません。発売された後も、副作用はないかなど、厳しい調査が続いています。

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市販薬と医療用医薬品

「市販薬」「医療用医薬品」あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、この2つの違いについて説明します。

医療用医薬品は、病院で診察を受け、処方箋にもとづいてもらう薬です。

医師が、診察しその症状を見て処方する患者さんごとのオリジナルのものです。

一方、市販薬は、薬局やドラッグストアなどで買える薬、医師の診察を受けなくても自分で購入できる薬です。

自分で自由に手に取って選ぶことができます。

市販薬は、手に入りやすい反面、医療用医薬品よりも作用が穏やかにできています。

成分も万人に効くように作られています。

Registered Vendor of Drugstore Placing Medicine on Shelf

しかし最近は、医療用医薬品の成分で、市販薬として販売してもよいものが出てきました。

聞いたことがある方も多いと思いますが、ガスター、ロキソニンなどがこれにあてはまります。

これらは、有効性、安全性でたくさんのエビデンスがでてきているので、市販薬としての承認がおりたのです。

医療用として使われていただけに、効果は、ストレートです。

このどこででも手に入る市販薬ですが、注意すべきこともあります。

まず、添付文書をよく読み、用法・用量を守って正しく使用する。

どこかのコマーシャルにもある文句ですが、一番重要なことです。

効果があるからといってたくさん使いすぎると体に負担がかかってしまいます。

またアレルギーなどのある方、他に薬を服用している方も一度薬剤師さんに相談してみることをお勧めします。

自己判断は危険です。

市販薬と、医療用医薬品、どちらにもメリットとデメリットがあります。その時の状況、症状などで臨機応変にと対応して、はやく普通の生活にもどれるとよいですね。

インフルエンザの治療薬について。

流行の兆しをみせてきたインフルエンザ。

インフルエンザは普通の風邪とは違い特効薬があります。

インフルエンザのウィルスを殺す薬です。

最近は何種類かの薬がでてきましたので、紹介したいと思います。

①シンメトレル

これはA型のインフルエンザにのみ使えます。

もともとは、パーキンソン病という薬の治療薬なのですが、インフルエンザに効果があることがわかり使われ始めました。

錠剤だけでなく、粉薬もありますので、錠剤が飲めない子供やお年寄りも服用でき、用量の調節も可能です。

②タミフル

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これは、もっともメジャーな薬ではないでしょうか。

A型、B型ともに有効であり、1日2回、1回1カプセルを5日間服用する。子供にはドライシロップもあります。インフルエンザが流行をしたときは、在庫不足になることもありました。

ただし、小学生の男の子が服用すると異常行動を起こすとの報告もあり、服用時は保護者の見守りが必要です。(因果関係はみとめられていないですが)

③ラピアクタ

最初は、飲み薬しかインフルエンザ治療薬がなかったのですが、初めて点滴製剤が発売されました。15分ほどのの点滴治療で終了します。

④イナビル

もっともウィルス除去率が高いといわれています。吸入剤で大人は1回、子供は1回を2日間吸入します。しっかり吸入できれば、最も簡単なお薬です。

これらのインフルエンザ治療薬は、症状が出て48時間以内に服用しないと効果がないとされています。

それ以上経過している場合は、それぞれの症状を抑える薬のみでの対応となります。熱さまし、咳止めなどがこれに当てはまります。

熱が出ているときの解熱剤の使用ですが、インフルエンザの時は、決まった成分があります。

15歳以下の子にアスピリンを使用するとインフルエンザ脳症を引き起こす危険性があるとも言われていますし、メフェナム酸なども脳症を悪化させるともいわれています。

マイルドな解熱効果のあるアセトアミノフェン(カロナール)が最も使われています。

いずれにしろ、薬物療法ももちろん、栄養、静養。

ゆっくり休むことが大事ですね。

ジェネリック医薬品について

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最近、よくTVのCMなどで目にすることのあるジェネリック医薬品。

この医薬品は、どういうものなのか説明したいと思います。

ジェネリック医薬品とは、後発品ともいわれます。

この後発品に、対する言葉が先発品といって、一番最初に作られた新薬です。新薬は、前の項でもお話しした通り、長い年月を費用をかけて作られます。

苦労して作られただけあって、特許を取ると数年間は独占的に販売できます。

この特許が切れると、同じ成分の薬を違う会社が販売できることになります。

これが、ジェネリック医薬品で、開発にかかる年月、費用が大幅に抑えられるので、薬価も安くて済みます。

成分は、新薬と全く同じですし、新薬と同じく厚生労働省から販売の許可ももらうので、安心して使うことができます。

患者さん個人の医療費の負担を抑えられるだけでなく、国全体としての医療費抑制にもつながります。

デメリットで思い上がることは、万が一、何かが起こったとき新薬よりもデータが少ないので対応が遅くなることが考えられます。

ジェネリック医薬品を使用するには、医師や薬剤師の先生にお願いしてみるとよいでしょう。

ジェネリック医薬品がまだ発売されていない医薬品もありますし、先生によっては、ジェネリック医薬品への変更不可、としている場合もあります。

しかし、国全体としても医療費削減のために、ジェネリック医薬品を推奨しており、これからは、ジェネリック医薬品が主流となっていくと思います。