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美容師の作品撮り(テーマを決めよう)
美容師をやっていると、自分の作品をフォトコンテストや雑誌に載せたい、などの願望、欲望がでてきます。
お店によっては毎週作品獲りしているところもあります。
作品を作るには、テーマを絞っていかなければなりません。
可愛い系なのか、かっこいい系なのか、そんなおおまかなところから
どのような形で、どのような質感で、どのような色彩で・・・と細かく考えていかなければいい作品は出来ません。
また何に使う作品かでハイモードなのかリアルな作品なのかの使い分けも重要です。
テーマを決めることは、作品の完成につながる一番最初の一番肝心なところです。
決して手を抜いてはいけません。
私は時間がなくて(言い訳でしかないのですが・・・)イメージだけで作品を作ったことがありました。
そしてとてもつまらない個性のない、何を伝えたいのかわからない作品をつくってモデルさん、撮影スタッフ、サロンにまで迷惑をかけ作品が作れなくなるというどんどんマイナスな方向に進んでしまった時期がありました。
なのでそうなってほしくないのです。
撮影自体は何度もあっても、その撮影は1度きりなのです。
そのことを忘れないでほしいです。
デッサンにする、ウィッグでイメージしてみる、図書館にいくいろんな雑誌をみる、なんでもいいです。
自分なりに最高のテーマが決めれるように試行錯誤してください。
必ず素敵なイメージが沸いてきますよ!
私は外国の写真集をよく見ていました。
洋書が置いてある本屋さんはとても刺激的なのでお勧めです。
是非立ち寄ってみてください。
美容師の作品撮り(形をきめよう)
作品撮りはもちろん写真にするのですからフォルムが大事です。
エクステを使って大きなシルエットを作ったり毛束を編んだり、織ったり、結んだり・・・
基本的なテクニックを重ねて複雑なフォルムにしあげたり。
自分からの目線と平面の写真に写った時はかなり違うものです。
それを意識しましょう。
何でもスタイルを作る時ベースが肝心です。
それから毛束の繊細な動きをチェックしたり、カメラマンのアングルに立ったりの繰り返しです。
なので何時間もかかる撮影もありますが、根気よくモデルさんのテンションも上げていきましょう!
形は女性像やテイストを表す手段で最も有効です。
ぱっとみたときに「かわいいな」「かっこいいな」「シンプルだな」と思うのはまず形を見ているからですよね?
私たち美容師はクリエイターでもあるのです。
誰もが理解し驚くような素敵な作品を作る1番の力の入れどころなので、手を抜かず気も抜かず丁寧に作業しましょう。
貴方の創造性が1番問われる時です。
テーマにそって本当に合っているのか、自分が表現したい形になっているのか、よく見返してください。
もしかしたら貴方がヘアデザインの可能性を広げられる中の1人になれるかもしれません。
私は色んなものに影響されやすくオリジナリティがないと先輩からよく言われてきました。
だから何度も何度も追及し、絵を書いては見せ、絵を書いては見せ、とやってきました。
そうやって形づくりのコツを掴んで自分のものにしていくのです。
そしてモデルさんの個性を最大限に生かし良いフォルムを作り上げていってほしいです。
美容師の作品撮り(質感を決めよう)
作品を作るにあたって質感も非常に大切です。
繊細で写真でどう表現するか1番難しいところでもあります。
毛束を張り合わせてウネリを出して個性的にしてみたり、束を繊細に広げてフェアリー感をだしたり、、、
衣装もそうです。革を使って表現するのか、レースを重ね合わせて表現するのかで、同じヘアメイクでも全く違います。
質感を作り上げるのはテクニックが要求されてきます。
ヘアーセットの際にはグリースなのか、ワックスなのか、スプレーなのかウェットに仕上げるのかドライな仕上がりなのか。
ワックスをつけ過ぎてしまうとドライなイメージにはもう戻れません。
しかし今はパウダーワックスなどもあり作品作りに非常に使いやすいものも出てきたので、色々自分の理想の仕上がりになるものを探してみてもいいでしょう。
私はドライな質感が好きだったのでドライヤーでほぼセッティングしていました。
アイロンも良いのですが艶感が出てきてしまうのです。
その難しい判断も大事になってきます。
メイクもグロスを付ける付けないだけで全く違う印象になってきます。
ちょっとしたメイクの質感などはカメラを通して見てからの直しがきくので、試行錯誤してみても良いでしょう。
ただ肌の弱いモデルさんもいるので配慮は忘れずに!が絶対です。
質感はヘアメイクだけでなく照明でも全然違ってくるので余裕がでてきたら照明の勉強をしてみてください。
新しい作品が出来上がるはずです。
私はそこにたどり着くまでかなり時間がかかってしまいましたが、自分で調節できるようになるとサロンでの作品撮りにかなり役に立ちます。
カメラはコンデジよりも一眼レフを使う方がいいでしょう。
是非挑戦してみてください。
美容師の作品撮り(色彩)
作品撮りで、形を決め、質感を決めたら色彩を考えましょう。
貴方の考えてるテーマを引き出す素材です。
同じ赤でも「暖色系の赤」「寒色系の赤」があるようにちょっとした色のチョイスで作品のテイストが決まってきます。
私は学生時代色彩学の授業があったので、割かし色は得意でした。
クール系の作品を作って「青」「緑」「紫」を使ってもそれが暖色系だったら無意味なのです。
逆に「ピンク」「黄色」「白」を使っても寒色系だったらクールに表現することも可能です。
強い色、弱い色、活発な色、静寂な色、、、
貴方はどんな色を思い浮かべますか?
このようなイメージトレーニングをしてみてください。
どういう場面で寒色系カラーをうまく使うか、どういう場面で暖色系カラーを使うかもポイントになってきますが、1番はそれを見極められる力です。
最初は合う、合わないでやっていけばいいと思います。
そのうちにだんだんわかってくると思います。
私は色彩学が好きだったので色彩カードなどでよく照らし合わせて遊んでいました。
美容室にはいったら色彩を学べるところもあるでしょう。
そういった経験をどんどん生かして色を使いこなしていってほしいです。
色は個性がとてもでます。
楽しんで勉強していってください。
色彩をしっかりと学んでおけば作品撮りだけでなく普段のサロンワークにも十分に使えます。
いざと言うときパッと色が思い浮かぶ判断力があるといいですね!
子供の頃の色塗りを思い出してみてください。
自分で自分なりの色をつくってたと思います。
それと一緒です。色の組み合わせで自分を、自分の作品を表現できるのです。
色は奥が深くとても楽しいので是非マスターしましょう!
美容師の作品撮り(完成にむけて)
「形」「質感」「色彩」とお話してきましたが、最終的に求められるデザイン力。
貴方自身の作った作品とモデルさん、モデルさんのポージング、全てが絡み合うときです。
何かお持ちの雑誌や自分の作品を見ながら読んで頂けるとわかりやすいと思います。
まず、
「長短のメリハリ」はつけられているか
「重軽のメリハリ」はつけられているか
「明暗のメリハリ」はつけられているか
をチェックしてみてください。
メリハリがないと単調すぎる作品になってテーマが伝わってきません。
そしてモデルさんのポージングも大事です。
身体は頭部より目立ちやすいのでヘアスタイルを印象付けるにはポーズや衣装も大事になってきます。
ヘアーが「cライン」ならポージングや衣装で身体も「Cライン」にしたり「Sライン」なら「Sライン」にしたりと何か統一性を見つけ出しましょう。
ポイントをしっかり定めて足し算、引き算ができるようになると素晴らしいです。
私は先輩と作品集をみてこれはこうだね、と話し合ったりする機会を設けてもらって成長することが出来ました。
そのような機会がお店にあると非常にいいですが、わからなかったりしたときは作品撮りをしてる先輩に聞くのが1番早く覚えられるでしょう。
写真に映したとき、ただ「可愛い」「かっこいい」の世界ではなくワンランク上のデザイン力に貪欲になって欲しいです。
コンテストがあったら積極的に参加してみたり、作品撮りのためのセミナーがあったら参加してみたり学ぶ方法はいくらでもあります。
どうせ作品をつくるなら最高の誰もに認められるいい作品作りをしましょう!