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作者である、稚野鳥子さんのシリーズは「天国の花」から読んでいて大好きです。

最もヒットした作品は映画化もされた「クローバー」ですが、私の中ではクローバーの次の作品である「東京アリス」がやはり一番のお気に入りです。

(メジャーにはなりませんでしたが、吉澤ひとみさん石川梨華さんご主演で舞台化はされました)東京アリスは、海外ドラマ「セックスアンドザシティ」と少しかぶる、中学校の同級生のアラサー女子4人の物語です。

tokyo

主人公の有栖川ふうはO型でショッピングと宮崎駿アニメに目のない、ちょっぴりオタクな女子ですが、その言動はとても面白く、うけてしまう場面が多々あります。

桜川理央はAB型で、学生時代から文武両道で現在は女医であるクールビューティな女性。

中学時代から密かにふうを想って今に至ります。

円城寺さゆりはB型女子で、偽悪ぶっていても根は純情な超お嬢様。

勝気に見えてその実、依存心も強い女性です。

最期に羽田みずほはA型。

3人に比べて身長もかなり低く華奢な体型で自分の意見を強く言えない女子ですが、昔からの夢を叶えて少女漫画家として生きる芯の強い面も持ち合わせています。

主人公ふうの彼氏は同じ会社に出向の形で勤務している東大卒の奥園さん。

不思議キャラのふうに振り回されながらも、彼女が可愛くて仕方ないという気持ちになり、恋に鈍感なふうに何度も告白を経て無事二人は付き合います。

もうラブラブ幸せな二人のシーンには癒されます。

理央は、ふうへの想いを秘めながら奥園さんの友達である東大出ながらペットのように理央に尽くし理央命の東雲さんといい感じの仲になりましたが、いざプロポーズを受けると断ってしまうのです。

円城寺さゆりは親の決めた相手と結婚式当日に、またも奥園さんの同級生である緋山さんへの想いを断ち切れずに式場から彼のいるパリへと逃避行。

みずほは純真だけに、お金のない彼氏や暴力癖のあるストーカーの彼、はたまた華やかな出版社に勤める軽い男性など、ことごとく男運がなく、結局ストーカー彼氏の子を妊娠。

一人で産み育てる決心をするのです。

と、ざっと4人の女性と彼女たちを取り巻く男性陣の説明を書いてみましたが、私が最も心惹かれるこの漫画の魅力は4人の女子たちが紆余曲折ありながらも皆、一生懸命に現実を見つめ、時にもがき苦しむ場面に遭遇しても必ず立ち直る強さが好きなのです。

それは男の人にはない、もしかしたら「したたかさ」と呼ばれるものかもしれません。

けれど男性に比べて花だ蝶だともてはやされる時期があっという間に終わってしまう性ならではの儚さが背中合わせに垣間見えて、自分自身のアラサー初めの時代が蘇りキュンとなってしまうのです。

作者の稚野鳥子さんは52歳とのこと。

いわゆるアラフィフ世代の方が、生きて来られた時代背景が全く違うアラサー女子のリアルな気持ちをここまで明確に描かれてることにも深い感動を覚えるのです。

アラフォーの私にとって大切な漫画です。