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惨劇館の漫画を知ったきっかけ
1990年代の漫画なのですが、当時ハロウィンという女性向のホラー月刊誌があり、その雑誌で連載されていたのを読んで知りました。
作者の名前が御茶漬海苔先生というユニークな名前であることもインパクトがある上、迫力ある残虐な描写に衝撃を受けました。
惨劇館の見どころ
1話完結型のストーリーですが、ただむやみに残酷な描写がされているのではなく、残虐な事件や事故、出来事が起こる背景がしっかりとしたストーリーで、引き込まれます。
元々雑誌が女性向けだったせいもあるのか、恋愛やもっと美しくなりたいという願望などが悲劇の引き金になる話が多く、中には利己的な愛情や内面より外見を重視することへの戒めのような話もあり、視点が女性なので女性には読みやすい話が多いです。
また、中にはシリーズキャラクターもいて、見た夢が現実になってしまう「夢子」シリーズや、破壊王ケビン伯爵の話などは、惨劇館では人気シリーズになっています。
惨劇館のおすすめポイント
残虐描写や気持ち悪いものというのは、見たくもないのに見てしまったり、想像したくもないのに想像してしまうということがあるものです。
惨劇館は、そういう人間の中にある「目をそらしたいけど見てしまうもの」を表現した作品で、怖い怖いと言いつつホラー映画を見たりお化け屋敷に入る心理をうまくつかんでいると思います。
スプラッタ的な描写だけではなく、「気持ち悪いもの見たさ」として、もし体にこんなできものができたらさぞ気持ち悪いだろうと誰しも一度は考えてしまうような不気味なできものが全身にできる話なども収録されています。
実際にそういう目に遭うのはごめんだけど、怖いもの見たさでそういう状態を見てみたいという人には、興味深い作品です。
惨劇館の感想
この作品には、「怖さ」を体感するのと同時に時に「戒め」もあり、結末もハッピーエンドのこともあればバッドエンドのこともあります。
どちらかというとホラーだけに、救いようのないバッドエンドや、これから更なる恐怖がやってくることを予感させるような終わり方をしている物語が多いですが、ただ怖いのではなく、人間の愚かさなどを考えさせられることも多いです。
親が妹ばかりをえこひいきするので妹を川に突き落としてしまう姉の話や、外見ばかりで中身のない男性に好かれるために、お金持ちのお婆さんを殺害してお金盗み、美容整形をして男性に近づく話などは、まさしくその典型例と言えます。
また、作画に特徴があり、独特のとがった顎の人物の冷酷さや、シンプルな線なのに残虐描写にとても迫力があり、画面に余計な描写がないので、非常に見やすい画面構成になっているのも特徴です。
大ゴマが多用されていますが、それが描写の迫力にさらにインパクトを与えています。
今は販売されておらず入手困難となっていますが、惨劇館の特別別冊が発売されたことがあり、ケビン伯爵シリーズと御茶漬海苔先生がデビュー前に描かれた貴重な作品が収録されている雑誌がありますが、3D眼鏡付きの飛び出すホラー漫画も掲載されています。