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この漫画を知ったきっかけ

永田正実先生の作品が大好きで、夏の音符という作品のコミックスを買った際に、同時収録されていたため、コミックスを読んで知りました。

そのコミックスのメイン作品ではありませんが、「好感が持てない女性を主人公にする」という斬新な手法に強烈な印象がありました。

ネタバレ

高校2年の藤倉美緒は、同じ高校の山口努くんのことが好きなのですが、山口くんは大変モテる男子のため、下駄箱に頻繁にラブレターが入っています。

その手紙を、美緒は下駄箱から取り出して破って捨てていました。

山口くんには同じ中学の出身の大野さんという女友達がいるのですが、美緒はそれも面白くありません。

ある日、山口くんの下駄箱からラブレターを取り出して捨てている美緒の後姿を見た人が現れ、後姿が似ていたことから、ラブレターを捨てていたのは大野さんであるという噂が立ちます。

それを幸いに美緒は、山口くんと大野さんを仲良くさせないために、根も葉もない大野さんの悪評を言いふらします。

それが山口くんにばれてしまい、「こんなことをしていて楽しいのか。

性格が悪い」と美緒は山口くんにズバリ言われてしまいます。

ショックを受ける美緒に、大野さんが、「自分も彼氏あての手紙を、出した女子本人につっかえしたことがあるが、彼氏に怒られた。

みんな一生懸命なのだから、そういう気持ちを分かってあげたほうがいい」と諭され、大野さんは美緒が悪口を言ったことを許してくれただけではなく、山口くんに美緒を許してやるように説得してくれます。

山口くんは、大野さんの言葉を受け美緒を許し、償いのために長い髪を切った美緒に同情します。

美緒はそれを機に告白しますが、返事は・・・?というところで、物語は終了します。

おすすめポイント

珍しく全く主人公の女の子に共感が持てないというのがこの話の不思議なところで、好きな人あてに届いた手紙を勝手に捨てる、好きな人の女友達、しかもその女友達には他に彼氏がいて嫉妬の対象ではないのにその子の悪口を言いふらすなど、問題行動ばかりです。

少女漫画の中でも、片思いの男の子から「性格悪い」とズバリ言われてしまう主人公はかなり珍しいのではないでしょうか。

しかし、どこか先を読み進めてしまうのは、この意地悪な主人公美緒が、この先どうやって山口くんと和解していくのか、どう改心するのかという点が非常に興味をそそられるのです。

見た目が不良の女友達の大野さんが、非常に大人で美緒の悪口に動じないどころか、好意から手紙泥棒をしてしまったことを許してやってと間に入ってくれるなどは、全く予想外の展開でオススメのポイントです。

感想

誰しも、片思い中はライバルの女子に、嫉妬やどろどろした感情を持ってしまうものです。

そういう感情を赤裸々に表現しているところは、主人公に好感が持てないとはいえ、「人間を描く」という意味では非常にストレートな作品だと思います。

平成3年の作品なので時代背景が異なりますが、永田正実先生特有の、「嫌な感情も素直に表現されている」作品であり、それでいてハッピーエンドなので、読んでいてホッとでき、どの世代にも共通して読める作品だと思います。