お正月と言えば、今は「1月1日」を意味しますが、
この日本のお正月は、西洋に習って明治5年から「グレゴリオ暦(太陽暦)」を
採用することになったことから始まったもので、実はまだ歴史が浅いものなのです。
それまでの日本では「旧暦(太陽太陰暦)」が採用されていて、
旧正月をお祝いしていました。
旧正月とは旧暦の正月のことを指します。
旧正月は毎年日付が変わります。
2015年は2月19日、2016年は2月8日です。
目次
世界の旧正月
旧正月を祝う主な国は、
中国、台湾、韓国、ベトナム、モンゴルなどです。
日本でも、沖縄の一部では今でも旧正月を祝う地域もあります。
旧正月の呼び方は、
中国語では「春節」、
朝鮮語では「ソルラル」、
ベトナム語では「テト」、
モンゴル語では「ツァガーンサル」、
英語では「チャイニーズニューイヤー」
です。
年賀状と旧正月
年賀状に「あけましておめでとうございます」と書く人もいれば、
「新春」「初春」と書く人もいると思います。
1月1日なのに「春」と書くのは、旧正月と関係しています。
今は1月1日に年賀状を出しますが、
明治時代以前は旧正月に年賀状を出していました。
旧正月は、春の始まりである立春と前後する日だったことから、
「初春」「新春」と年賀状に書く習慣があり、
その習慣が今の年賀状にも残っているのです。
中国の旧正月「春節」
中国の春節は、ほとんどの中国人が連休になることから、
国内で盛大に祝う人もいれば、日本をはじめ世界各国に旅行に出る人もいます。
中国の春節は、大晦日に大掃除をして、中国の紅白歌合戦を見るそうです。
そして、除夜の鐘と似ている新年の鐘を聞き、新年を迎えます。
ここまでは日本と似ていますね。
新年を迎えたら、派手に爆竹を鳴らして、爆竹の音で旧年を送り、新年を迎えます。
ここは日本とは違うところです。
ただし、近年では大気汚染の問題で、爆竹が禁止になっている地域もあります。
また、目上の人からお年玉をあげる習慣や、
新年のあいさつをする習慣もあり、ここも日本と似ています。
ベトナムの旧正月「テト
」
ベトナムのテトは、最も盛大に祝うイベントで、
国内はテトフェスティバル一色となります。
ベトナムのテトは、大掃除をしてから、
1年の幸せを願って「金柑と桃の木」を家の前に飾ります。
日本の門松のようなものです。
また、もち米と豆や豚肉などをバナナの葉で包んで茹でて作る
「バィンチュン」を食べます。
これは保存が効くため、日本のおせち料理のような役割です。
ベトナムにもお年玉がありますが、
日本と違う点は、知らない人にもお年玉をねだるところです。
外国人旅行者であっても、お年玉をねだられることがあるそうです。