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インターネットで、「大好きは虫がタダシくんの」というウェブコミックで一躍話題となった、阿部共実さんの作品です。

日常ギャグからホラー、不条理まで幅広く描かれる漫画家さん。

ポップな絵柄と内容のギャップで人気が出たという印象です。

そんな阿部共実さんが「この漫画がすごい!2015」で1位をとったのが「ちーちゃんはちょっと足りない」。

目次

ちーちゃんはちょっと足りないのあらすじ

ちょっと「足りない」ちーちゃんという少女を中心に描く日常漫画、、序盤は。

ちーちゃんのクラスのバスケ部のお金が無くなったことで一悶着おき、危ういバランスで成り立っていたちーちゃんの、いやちーちゃんの友人、ナツの精神状態が少しずつ壊れていきます。

本当に「足りない」のは何なのか、誰なのか。

ちーちゃんは、ナツは、果たして救われるのか。

ちーちゃんはちょっと足りないのネタバレ有り感想

「ちーちゃんはちょっと足りない」というタイトルですが、実質主人公はちーちゃんではなく、その友人ナツです。

ちーちゃんという少女は、中学二年生としては周囲の少年少女たちに比べ身体も小さく、語彙も少ない、確かに「足りない」子です。

一歩間違えば痛々しく見える、知的障害ギリギリの少女を、阿部共実さん独特の絵柄と台詞回しで、可愛くポップなキャラクターに仕上げています。

一方そんなちーちゃんの友人、ナツは、序盤は普通の善良な少女として描かれますが、化けの皮が剥がれるかのごとくどんどん「足りない」部分が露呈していきます。

個人的にはちーちゃんと共通の友人旭と三人でテストの点を見せ合うシーン、ギャグ風味に描かれていますがぞっとします。

この物語の山場である、バスケ部のお金をちーちゃんが盗んだことがばれ(ばれるというよりはちーちゃんから暴露しています、彼女は罪悪感もやっぱり足りない、良いことだと思い動いています)ちーちゃんは旭、バスケ部のフジオカ(一見不良ですが祖母の介護をしながら小さな妹達の面倒を見るとても良い子です)、フジオカの友人達、優等生の委員長達に諭され、罪の重さに気づき、泣きながら謝罪し、とったお金を返すことを約束します。

「おかねとってごめんなさい!」周りの少年少女たちの優しさ、ちーちゃんの純粋さが描かれ、心温まるハッピーエンドを迎えます。

と、見せかけて。

その感動の場面に、ナツはいません。

ちーちゃんがバスケ部のお金を盗んだのは、「優しいなっちゃんにあんたも何かしてあげられるといいね」という姉の言葉を受け、母にお小遣いをせびるナツの声を聞き(ちーちゃんとナツは同じ団地住まいです)、ナツにお金をあげたかったから。

ちーちゃんは旭やバスケ部の少女たちに、お金を誰にあげたのか、と糾弾されても、絶対にナツの名前を出しません。

出しませんが、少なくともそこそこ仲良くしていた旭にはバレバレです。

そしてナツは一連の心温まるハッピーエンドの流れを知りません。

一人で罪悪感と絶望感にかられて完全に閉じた状態でした。

タイミングが悪すぎる。

その後ナツがちーちゃんからお金を受け取っていることを察した旭はナツにさりげなく問いかけますが、ナツはしらばっくれ、フジオカの悪口を言い、さらには最後までナツの名前を絶対に出さなかったちーちゃんを疑う始末です。

どうしようもない。

そして最後まで自分を改めることをしない、さらにちーちゃんを自分の元へ縛るような言動で、彼女だけは何も成長しないまま物語は結ばれます。

ちーちゃんはちょっと足りないのまとめ

何名かの友人に勧め感想を聞きましたが、感想が面白いほどにバラバラです。

私個人としてはナツにイライラして仕方ありませんでした。

何人かで感想を語り合うのがオススメです、とにかく心がモヤっとするので。