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本屋の見本誌で初めてはまったコミックス
以前八王子に住んでいた時、駅前に一つしかない小さな本屋で大々的に取り上げられていたのが『ラストゲーム』でした。
『ラストゲーム』の作家・天乃忍さんが八王子出身のため、その本屋で特集していたみたいです。
私がコミックスを買う決め手になるのは絵がこのみかどうかです。
絵が私好みで、特集が組まれていたので、その時たまたま『ラストゲーム』の見本誌で1話だけ読める状態だったので、気に入って買ってしまいました。
女々しい御曹司と男らしい貧乏娘
主人公はダブルに見えますが、天乃忍さん曰くは、男性の方が主人公らしいです。
気になる主人公ですが、かなり女々しいです。
『ゴールデンボンバー』に匹敵するかもしれません。
『女々しくて』を延々リピートしながら読むとしっくりきそうな感じですね。
主人公の名前は柳尚人、柳リゾートの跡取り息子な設定です。
幼い時から親のお金で何不自由なく過ごしてきた根っからの御曹司です。
将来父親の跡を継ぐことを考えて、習い事と勉強を頑張る小学生というのが初めの設定です。
対するもう一人の主人公、もといヒロインは九条美琴という名のクールで素朴な女の子です。
彼女は小学校に上がる前に父親を亡くし、母親を守るために自分を生かしている感じの現実派人間です。
彼女は後に柳尚人の小学校に転入してきて、彼のプライドをズタズタに切り裂く存在となるのです。
不器用な御曹司・柳尚人の恋愛物語
勉強から運動から、何から何まで柳尚人の上をいく九条美琴の存在は、彼にとって忌々しいものとなっていました。
でも、実はそこから恋の始まりです。
柳尚人は一切気づいてませんけどね。
『嫌よ嫌よも好きのうち』とは、彼のためにある言葉ではないのかくらい九条美琴のことはボロクソ言ってます。
一巻は小学生から大学生までの柳尚人と九条美琴の経緯が描かれてますが、柳尚人は九条美琴を凝視しているのに対し、九条美琴は柳尚人を忘れてる始末です。
忘れられては堪らないと、柳尚人は九条美琴の時間をお金で買うことにしました。
時間を買うことで九条美琴と一緒の時間を手に入れたと言うわけですね。
大学生になって自分の気持ちに自信が持てた柳尚人はレストランでの会食時に、九条美琴に提案を持ちかけるのです。
「ゲームしようぜ」と。
2巻からがメインストーリー
1巻丸々序章と考えてもらって、2巻から『ラストゲーム』が面白くなっていきます。
柳尚人にライバルが出現し、九条美琴が柳尚人に恋をし、九条美琴にライバルが現れ、今までにない展開に目が離せなくなりました。
それでも九条美琴と柳尚人の根本が折れなかったのが素晴らしいと思います。
しかし、小学校から比べたら、柳尚人はかなりの空回りキャラ・九条美琴はちょっと物腰柔らかくなった気がして、
『やっぱり人との出会いで性格って変わるんだな』など作品を通しての学びも多かった気がしますね。
やっぱり恋愛は人を変えますよね。
ラストゲームの意味
作品タイトルは最終巻までの伏線と考えていいかと思います。
最初に柳尚人が九条美琴にふっかけたゲームの内容、
『九条、ゲームしようぜ』
『もし俺が勝ったら左手の薬指に指輪はめてよ』
なんと柳尚人は最初の方にもう既にプロポーズめいたことしてるんですよね。
でも、ゲームの内容は九条美琴には伝わってないという悲しい話なんですけど。
最終巻柳尚人は九条美琴にもう一度ゲームを持ちかけます。
『九条、勝負しようぜ』
『おまえが幸せになったら俺の勝ち』
『もし俺が勝ったらずっと俺の隣にいてよ』
ラストゲームとは永遠に終わらない恋を指していたんですね。