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BL界では有名作家の夏目イサクさんの「タイトロープ」は明るく楽しい、でもキュンとするお話しです。

相手を大事に思う気持ちにあふれた、読みごたえのある作品です。

極道の世界が背景となっていますが、本当にコワいシーンは無く、ありそうなレベルの話だけです。

メインキャラの二人だけでなく、その他の登場人物もなかなかいい味出しているところも良いです。

この作品では登場人物が関西弁を話しているので、設定は関西だと思われ、あちこちに関西のテイストが見受けられます。

夏目先生は関西人なので、いつも関西的なノリが見え隠れしていますが、この作品は一番そのノリが炸裂しています。

ノリがわかる人にはとても親しみやすい作品です。

目次

好きなキャラクター(メインキャラ二人)

主人公の二人とも、とても魅力的だと思います。

攻になる、龍之介くんのまっすぐで素直な性格はとても好感がもてます。

ちょいおバカっぽいところもありますが、まだ高校生なのでそんなものでしょう。

思ったことが率直に態度に出たり、そうかと思えば少し臆病だったりするところも良いです。

このあたりのテイストは、関西人には特にシンパシーを感じるところかなと思いました。

受の直樹くんはいわゆるツンデレで、表面的にはそっけない態度もとったりしますが、心の深いところで龍之介くんを想っていることが、ひしひしと伝わってきます。

この真逆の二人の対比もおもしろいし、だからこそ魅かれ合う、その過程の描き方にも説得力があります。

I-12C

好きなキャラクター(サブキャラ)

大原組の姐さんはかっこいい…!です。

「悪くなくても、関係なくはないんや」というセリフ、これぞ世間の理不尽を引き受けた大人のセリフですね。

悪くなくても責任を取ったり、受けて立たなければならない時もある。

それはまだ子供の直樹くんにはわからないことだったかもしれませんが、このセリフが覚悟を決めることにつながります。

まんがの話とは関係なくとも、うならされる一言です。

感想(ネタバレあり)

夏目先生は他にもたくさんの作品を描かれています。

本当にどれもハズレ無しです。

多くの作品中、比較的「サラリーマンの二人」が主人公になっているものが多いです。

しかし、この「タイトロープ」は「学生の二人」が主人公になっているので、(他の作品とは違った)若々しさと勢いと素直さがあふれ出ています。

さっぱりした絵で読みやすく、テンポよく話が進んでいき、本当に楽しめます。

ちなみに、あまりエロくありません。

エロさより、心情を追って読んでいくというタイプのお話です。

相手を思いやる気持ちが微妙に掛け違っていき、だからこそ最後は上手くいく…。

直樹くんももう抵抗せず受け入れるしかないですね(笑)

関連情報

ドラマCDがあります。

攻は鈴木達央さん、受は立花慎之介さんです。

鈴木達久さんの関西弁の発音に(ネィティブ関西人の私としては)少し違和感がありました。

ただ、キャラの雰囲気は良く表現されていて、楽しく聞けます。

立花さんのクールな声はとても良かったです。

それから、「夏目イサクファンブック」という本に番外編が掲載されています。

大変、ばかばかしく、微笑ましい二人の姿が描かれています。