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最近の少女漫画は学校での恋愛ものが一番普及していると思われますが、今回私が紹介する「スキップ・ビート!」(以下スキビ)は芸能界が舞台となっています。

ストーリーの主軸は、ヒロインの女の子と男の人二人の三角関係を描いたもので、これだけ聞くとどこにでもありそうな漫画かと思われますが、この漫画はそんな生ぬるいものではありません。

少女漫画にあるまじきヒロインが最高ですよ。

目次

これ、本当に少女漫画ですか?!

幼馴染の同棲している男の子に捨てられるところから話は始まっていくのですが、普通は少女漫画らしくバックに花や、雰囲気のあるキラキラしたものをバックに、涙の一つも流す場面でしょう。

しかしこのヒロインは不気味に高笑いし、自分の分身の怨霊をまき散らし、息の根を止めに兼ねない勢いで相手に襲い掛かるのです。

当然まわりに阻止されることとなるのですが、ここから彼女の果てしない復讐ストーリーが始まっていくこととなります。

こんなの私の知っている少女漫画とは違う…と、驚かされたと同時にそのあまりの面白さにどんどん引き込まれていきました。

「スキップ・ビート!」との出会い

そもそも私がスキビを読むきっかけとなったのは、自身の結婚でした。

今の主人と新婚生活を始め、その時新居に主人が持ってきた数ある漫画のなかの一つにスキビが混じっていました。

別に男の人が少女漫画を読むことに偏見はありませんでしたし、主人には姉もおりましたので「へー、こういう漫画読むんだー」位の印象で、暇な時に読んでみるか、と手に取ったのが始まりです。

実は私は少女漫画が好きではありませんでした。

何故なら、あの紆余曲折しながらあま~い展開へとまとまっていく内容に「こんなの現実的にありえないし!」と、飽き飽きしていたからです。

ですので、かれこれ十年以上恋愛ものの漫画は読んでおらず、この漫画も期待していなかったのですが、恋愛とはまた違う怨霊を使役するという良い意味で「ありえない」内容に、本当に楽しませてもらっています。

簡単なあらすじ

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ではそのヒロインを始め、登場人物や内容についてさわりだけご紹介したいと思います。

まずヒロイン「キョーコ」。

母親からは嫌われ、幼少時代から幼馴染の男の子の家(旅館)に頻繁に預けられておりました。

この男の子がキョーコの片思いの相手、「尚」です。

尚が中学卒業と共にミュージシャンになるため上京するので、それにキョーコもついていき二人は同棲をはじめます。

キョーコは尚のために高校も行かずバイトを掛け持ちしたりと、身を粉にして働き尽くしますが、ある日尚がマネージャーと関係を持ち、自分のことなんか家政婦だと思っていることを知ります。

尚に捨てられ心の闇が解放されたキョーコは、もう二度と恋愛なんて愚かなことはせず、ただただ復讐するために自分も芸能界に入ることを決意します。

何とか入ることのできた芸能事務所で出会ったのが、尚が目の敵にしているイケメン俳優の「蓮」です。

復讐だなんて不純な動機で芸能界に踏み込んだキョーコを嫌う蓮ですが、キョーコの真面目で何事にも一生懸命で素直なところに気を許していく、という展開です。

この漫画の魅力とも言えるキョーコの復讐心

自分を捨てた相手に復讐というと何だかありがちな気がしますが、キョーコの凄いところは怨霊や念力など人知を超えた能力を使用するところです。

(笑)もちろんそれはギャグパートになるのでホラーやサスペンスのような、決してシリアスな内容にはなっておらず、面白おかしく読めるようになっています。

鬼のような形相で、呪いの人形で呪術をつかったりと少女漫画らしからぬ一面が魅力の一つとなっています。

基本的にこの怨霊類は尚にだけむけられるものですが、話が進んでいくにつれて、キョーコにとっての敵や危険人物が増え、この能力はどんどん開花していくこととなります。

芸能界という舞台により様々な顔をみせるキョーコ

最初にも述べましたが、スキビは芸能界が舞台となっており、キョーコはタレントとして活動していますが、女優の才能を開花させていき、このことにより天使だったりお嬢様だったり、外国の男の子だったりと様々な容姿へと変身していきます。

キョーコが化粧映えする顔だというのが大きな理由かもしれませんが、地味で平凡な女の子がまるで別人のように変身するのはシンデレラのようで、ここがまさに少女漫画の原点をおさえているのかなと思います。

まわりの人を驚かせる変身っぷりは、私たち読み手をニヤニヤさせてくれます。

もはや恥部、「ラブミー部」

京子はタレントとして活動していますが、ただのタレントではありません。

オーディションを通じ、愛が欠落していると社長に判断されたために(勿論、尚のせいです)新設された「ラブミー部」という部署に配属されます。

このふざけきった名前の部署は、愛の伝道師のようなLOVE命の社長が「愛が欠落している者たちが、愛される人間になり、その感情を取り戻す」ために作ったものです。

つまり、愛情を取り戻すためのリハビリ部ですね。

ふざけているのは名前だけではありません。

毒々しいショッキングピンクのつなぎの、専用ユニフォームが存在します。

しかもラブミー部のロゴ入りです。

当然最初は拒否しまくるキョーコですが、ここでしか自分が芸能界でやっていく居場所はないので、しぶしぶラブミー部第一号として活動を始めていくのです。

ですが時間がたつにつれ、逆にこのド派手なユニフォームを武器とし、胸を張って芸能界を闊歩していくようになります。

新しいメンバーも配属されたりと、少しずつにぎやかになっていくラブミー部もこの漫画の見どころの一つです。

肝心の恋愛模様は…?

さて、遅くなりましたがキョーコと蓮、尚の三角関係はなんと三人の幼少時代にまで遡ります。

実はキョーコと蓮は、子供の頃に会っていたのです。

ひょんなことから蓮は、幼少時代に出会った女の子がキョーコと気づきますが、訳あって風貌が変わってしまった蓮にキョーコは全く気付きません。

この頃から蓮はキョーコのことを意識し始め、尚は自分の捨てた女が別人のように美しく化けたり、尽くすしか能の無かったぽけっとした性格が復讐に燃える強く逞しい性格に変わったりと自分の知らない少女へと変わっていくことによって、だんだんと好意を持ちはじめていきます。

あくまで表立っては、キョーコとは敵として対立しており、自称「アイツのことなんか好きではない」と言い張りますが、まわりの大人の女性から見れば心の奥底ではキョーコを束縛したがっているのがばれています。

ですが、キョーコは尚に捨てられたことによって、自分はもう恋愛なんてこの先一生しないと心に誓い恋愛脳を封印したものですから、この男二人の気持ちの変化に気付くことが全然ありません。

蓮と尚以外にもキョーコに思いを寄せる男性が何人か現れるのですが、やはりそれにも気づくことはありません。

良くも悪くも復讐一直線、ある意味尚まっしぐらなキョーコに蓮はつい嫉妬してしまいます。

なかなか進展しない三人の関係ですが、これがなかなか読者の想像力を掻き立てる内容となっていて面白いなと思います。

もっと多くの人に読んでもらいたい漫画です

スキップビートはかれこれ十年以上連載されている漫画です。

なのに今まで私のまわりではこの漫画が話題に上がったことはありませんでした。

画風が今流行りの、映画化されているような漫画と比べると少し古いような気がしないこともありませんが、キラキラした衣装から迫力ある怒涛の怨霊シーンまで、細部まで丁寧に描かれて大変読みやすいです。

単行本が四十巻近くあるので、今から新しく読み始める人が手を出しづらいのかもしれませんが、個性豊かな様々なキャラクターが運んでくる多くのトラブル、それに立ち向かっていくキョーコの話は本当に面白くサクサク読み進めるので、ぜひ気軽に手に取って読んでもらいたいです。

最近は恋愛面でようやく大きな進展を見せ、これからの展開に益々期待です。

いつか来る最終回が来てほしくない、ずっと続いてほしい、そんな漫画に出会えて私は幸せだと思います。