フォアグラは一般的には高級食材とみなされていますが、
最近では居酒屋やファミレスなどでもフォアグラを食べられるようになり、
日本はフォアグラブームと言ってもいいかもしれません。
これは、大量仕入れによって質の良いフォアグラを
格安で手に入れることが出来るようになったからだそうです。
一方で、大手コンビニチェーンのファミリーマートは、
2014年1月28日に販売予定だった
「ファミマプレミアム黒毛和牛入りハンバーグ弁当~フォアグラパテ添え」を、
販売中止にすることを発表しました。
ファミリーマートは、販売中止の理由として、
「フォアグラは日本国内においては一般的な食材ではございますが、
お客様から頂戴したご意見や諸外国におけるフォアグラに対する見解の違い、
フォアグラ自体の生産過程なども踏まえ、弊社内で慎重に検討しました結果、
当該商品の発売を見合わせることとなりました」としています。
ファミリーマートに寄せられた「フォアグラは残酷だ」という抗議は、
22件だけだったという報道もありますので、
これで販売中止とするのは非常にめずらしい例なのではないかと思います。
フォアグラを食文化として認めて食べるのか、
生産法が残酷だから食べないのか、賛否両論です。
フォアグラの生産法
残酷だと批判されるフォアグラの生産法について紹介します。
フォアグラは、カモやガチョウの肝臓から作られます。
まず、卵から孵ったら、オスはフォアグラ用レーンに乗せられて運ばれ、
メスはすぐに廃棄されます。
その後、オスは3か月間屋外で飼われて体力を付けさせられます。
そして、体がギリギリ入る檻に入れられ、
鉄パイプを鳥の口に差し込み、そこから大量の餌を強制的に押し込み、
これを1日に2~3回、3~4週間続けます。
3~4週間後、鳥の肝臓は標準の10倍まで膨れ上がっており、
肝臓が他の臓器を圧迫することで、息をするのも苦しく、
歩くことも出来ず、もがき苦しんでいる状態です。
ここまでの工程で、鉄パイプが喉を傷つけたり、強制給餌で窒息したり、
慢性の肝臓病によって死んでしまう鳥も多いそうです。
最後は喉を切り裂いて失血で殺害され、
病的な肝臓を取り出すと、それがフォアグラです。
フォアグラへの規制
現在、少なくとも14の州や国が、
フォアグラを生産するために鳥に強制給餌することを禁じています。
また、かつてフォアグラ生産量世界4位だったイスラエルも、
フォアグラ生産を禁止することになりました。
一方で、世界的なフォアグラ生産量は増加しており、
日本でも身近な食材になりつつあるのが現実です。
フォアグラを食べるのか、食べないのか。
個人の判断で決めることですが、
フォアグラがどのように生産されているのかということを、
世間が認識することは必要なのではないかと思います。