「昭和基地」は、天体・気象・地球科学・生物学の観測を行う
日本の南極観測拠点です。
昭和基地は、南極大陸から西に約4キロメートル離れた東オングル島にあり、
日本から直線距離で約14,000キロメートル離れています。
東オングル島は南極大陸と氷でつながっているので、
この氷が解ける夏以外の季節に、昭和基地から南極大陸に渡ります。
南緯69度00分、東経39度35分、標高は29メートルで、
日本との時差は6時間です。
平均気温は、-10.6℃で、最低気温はー45.3℃です。
目次
昭和基地の歴史
1951年に国際地球観測年が提唱され、日本もこれに参加しました。
1955年に日本に南極観測が要請され、
1956年に南極観測船「宗谷」で第一次観測隊が東オングル島に出発し、
1957年に「昭和基地」を設立しました。
昭和基地の施設
昭和基地の施設は、大小60以上の棟からなり、管理棟、居住棟、発電棟、
汚水処理棟、環境科学棟、観測棟、情報処理棟、衛星受信棟、焼却炉棟、
放送棟、燃料タンク、ヘリポート、太陽電池パネル、貯水用ダムもあります。
隊員には、4畳半の広さの個室が与えられています。
もちろんお風呂もあって、お湯は循環式で発熱器の熱を利用します。
また、管理棟内では、人工光源で野菜の栽培もおこなっており、
隊員達の日々の食事に使われます。
南極地域観測隊員
南極地域観測隊員は約60名で、そのうち約40名が越冬します。
夏期間には、夏隊員と越冬隊員の仕事に大差はなく、
所属するチームの仕事と、野外観測や野外での建設工事等を行います。
冬期間は、越冬隊のみで全ての仕事をこなすため、
本業の仕事を行いながら、単調な南極の冬の生活を過ごすために、
娯楽や気分転換になることも企画したりすることもあるそうです。
南極、昭和基地を舞台にした映画
南極を舞台にした映画はたくさんありますが、
中でも最も有名なのは「南極物語」です。
「南極物語」は、第一次越冬隊と一緒に南極に渡った樺太犬15頭の話です。
第一次越冬隊が第二次越冬隊と引き継ぎ交代する際に、
悪天候のため、無人の昭和基地に樺太犬15頭が置き去りされてしまいます。
極寒の地に餌もなく残されてしまった犬達と、
犬係だった二人の越冬隊員の苦悩が描かれており、
最後は、1年後に犬係だった越冬隊員が、
生き残った兄弟犬タロとジロに感動の再会をします。
また、南極での生活を描いた「南極料理人」は、
原作は、海上保安官出身の西村淳氏のエッセイ「面白南極料理人」で、
南極観測隊員だった西村氏が、
南極大陸のドームふじ観測拠点で越冬する隊員の料理長として
面白おかしく奮闘する姿が描かれた映画です。