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目次

どうぶつの国でこれからの生き方を考える

金色のガッシュベルの作者である雷句誠先生が描いた「どうぶつの国」。

これは地球の未来の縮図のような気がして、いろいろ考えさせられる作品です。

どうぶつの国の見どころ

人間のいなくなってしまった地球では、大自然と動物たちの弱肉強食の世界が広がっています。

そこに突如現れた5人の人間の赤ん坊たち。

主人公であるタロウザは、タヌキのモノコに拾われて、モノコを母親として成長していきます。

しかし、タロウザは”すべての動物の鳴き声が分かる”という特殊な能力を持ち、弱肉強食の世界で食べられていく弱い動物の鳴き声に苦しみ始めます。

弱肉強食をなくしたいと願い、旅を始めるのですが…果たして彼は答えを見つけることができるのかどうか。

これがこの漫画の最大の見どころだと思います。

どうぶつの国のネタバレ

最終的には、弱肉強食を完全に地球上からなくすということができていません。

それでもタロウザの力によって、共鳴した同じ人間の子どもと、動物たちが協力して新たな生き方を作り出しています。

もちろん、弱肉強食を良しとする人間の子ども、動物が生きているということを否定する人間の子どももいました。

そうやっていろいろな意見がある中で、生き方を模索していく姿が、これからの世界でもこのようなことが起きるのではないか?と考えさせてくれます。

どうぶつの国のおすすめのキャラクター

物語の後半に、生きとし生けるものすべてを殺そうと考えた人間の子どもがキメラを作り出しています。

そのキメラの中に、偶然自我を持ったキメラが数体生まれるのです。

彼らが何を思い、どう生きていこうとするのか、この描写はすごく心が揺れるものがあります。

現実の世界の中でも同じように「人工知能」への期待と懸念が取りざたされていますが、このキメラがまさにそれにあたるような気がしてなりません。

人間の生み出したものなので、やっぱり人間らしい判断をしてしまうのか、そしてキメラ自身にとっての選択は何が正しいのか…彼らの判断をぜひ見てほしいと思います。

どうぶつの国のイラストの描写

前半はコメディー要素がかなり強いですが、後半からはもうバトルシーンが満載になります。

動物1匹1匹を細かく描いているので、作者である雷句先生やスタッフの方々も相当ご苦労なされたらしいです。

魔法があるわけじゃないので、生身で立ち向かっていく姿が痛々しくもあり、勇ましくもあります。

タロウザの能力はちょっと魔法に近いですが…回復魔法はありません。

動物の鳴き声がわかるようになったら

この漫画のキーは、タロウザのすべての動物の鳴き声が理解できてしまう、ということにあります。

この能力がなければ何も考えなかったかもしれません。

現実でも、犬の考えていることがわかる首輪みたいなものがニュースで紹介されたことがありましたが、その技術はどれくらい進んでいるのでしょうか…現実には、脳の発達具合でだいたいわかってしまうのでしょうけれど、すべての動物の声が聞こえたとしたら、人間って何を思うのでしょうね。

そんな壮大なことを考えさせてくれる作品です。