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 私がまだ小学生の頃、テレビで放映されていたアニメの原作がこの漫画でした。

誰もが知っている「西遊記」をモチーフとした作品です。

高名な僧侶である三蔵法師と、その仲間である三人の男達による波乱万丈な戦いの旅路を描いています。

 タイトルを一見すると西遊記のパロディを連想しますが、天竺に行くと言う最終目的以外はほぼオリジナルのストリーになっています。

三蔵法師は小型銃を携帯する大変物騒で口の悪い美丈夫、孫悟空は腹減ったが口癖の無砲少年、沙悟浄は女性大好きな色男、猪八戒は優しく聡明だが時々ボケもこなす皆のお母さん。

そんな個性豊かな面々が繰り広げる、笑いあり涙ありの長編大作なのです。

あらすじと見どころ

 この話は人と妖怪とが共存する桃源郷と言う土地と、その地に突如巻き起こった妖怪の暴走について触れるところから始まります。

暴走と言う異変を食い止めるために三蔵法師は天竺へ赴くように命じられ、三人の仲間を引きつれいざ天竺へと向かいます。

しかし敵の妖怪サイドからは刺客が送り込まれ、戦いながら西を目指す彼らはその中で様々な出会いや体験をします。

 四人の主人公にはそれぞれ隠された過去や思いがあり、ある種のコンプレックスを抱えた彼らはその痛みを胸に敵と戦います。

しかし彼らが妖怪から助けた人間にも、敵であるはずの妖怪達にもあらゆる困難が存在し、物語が進むにつれて誰が悪いと言う単純な問題からは徐々に遠ざかって行きます。

 それぞれの事情や苦しみが毎回細かく描かれているのはこの作品の特徴の一つでしょう。

妖怪だから間違っている訳でも、人間だから正しい訳でもないのです。

彼ら四人は自分自身の問題と立ち向かいつつ、対立する二極の狭間に立たされながら多くの思いに触れます。

沢山の憤りや悲しみに彼らは戸惑いますが、その中で進んでいくことによって強い信念はより大きくなっていきます。

仲間と共に弱い自分を見つめ直しながら困難に立ち向かう姿には、誰であっても胸を熱くさせる事でしょう。

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キャラクターについて

 そもそもこの作品は人間対妖怪という二つの対立する種族を題材としていますが、読み始めてみればもっと奥が深い問題を秘めていることに気づきます。

 三蔵法師は人間ですが、悟空と八戒の正体は妖怪です。

もう一人の仲間である沙悟浄は、人間の母と妖怪の父から生まれた半妖と言われる存在です。

妖怪を敵として人間の味方をする彼らは、行く先々で種族の違いに思い悩みます。

妖怪とは何か人間とは何か、酷い人間にも出会えば優しい妖怪にも出会うのです。

 時には大切なものを失いながらも痛みを堪え、確固たる決意で西に進む彼らは弱さも強さも知っています。

生きるとはなんなのか、彼らの真っ直ぐな生き方を見ているととても考えさせられます。

おすすめの理由

 最遊記は少年誌なのでバトルメインになる事はありますが、女性が読んでも充分楽しめる作品です。

異なる種族の対立には、私達が考えるべき大きなテーマが表現されています。

差別や偏見、人の中に潜む身勝手さ、またそれらによって苦しむ人達の心情など、現代社会においても無視してはいけない重要な問題です。

それを乗り越えるための強さを教えてくれるのも、この作品の良いところだと言えるでしょう。

現在は作者様の事情により連載が一時停滞気味ですが、一度は必ず読むべき作品だと自信を持ってお勧めします。